2006年10月14日 (土)

子供の怪我

子供が階段から落ちて、口の中が切れてしまった。
たいした出血もなく、軽くてほっとしたものの、私に甘えてギャーギャー泣いている。
ずっとずっと泣いている。
私は、長い時間赤ちゃんのように抱っこして、ときどきおでこにキスをしていた。
少しずつ泣き止んで、落ち着いて気持ちよさそうにしている。

私も、こんなふうに育てたら、何て幸せだったんだろう。
私が痛いと泣くと、「落ちれば痛いのはわかってるんだから、見せつけるようにワザと泣くんじゃないのっ!」と怒られたっけ。
母親は、自分が痛いときには私が思いやらないとヒステリックになるくせに、私が身体に異常を訴えると笑っていたっけ。
それが、世間では「先生」と呼ばれる職業の人の奥さんで、世間からはいい家庭だと羨ましがられ、いい家庭を作っていると自慢げな顔をしているのだから、笑ってしまう。
外から見たものと、内から見たものではまったく違うものだなんて、誰も思わないんだろうな。

私が普通の家庭で幸せに育っていたら---
---でも、私が幸せに育ってたとしたら、私は違う人間になっていただろうから、それはもう私じゃないのよね。
だから、もうどうだっていい。

ほんとに、この子は、なんて幸せそうなんだろう。
私も幸せな気分になってきた。

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2006年8月23日 (水)

どちらがいい人?

ここに書いているほとんどのことは誰も知らない。ただ、母親のことについては、元彼の数人と仲のよい女友達には話したことがある。

そんな女友達の一人、みどりから電話があった。実は、みどりも子供の頃から母親に嫌なことを言われ続けて育ったので、未だに母親と会うのには勇気がいるらしい。みどりの母親は精神的に不安定な部分(軽い精神病?)があるので、それがみどりに影響するらしいのだ。

たとえば、みどりが「夫の仕事が忙しくて、最近帰宅が遅い」などとうっかり口を滑らせれば、「それを信じているのは妻だけで、そういうとき、男というのはだいたい他の女と遊んでいるのよ。信じてるなんてバカみたい」などと嫌なことばかり言うらしいのだ。話した量だけ、嫌な気分も増えるらしい。確かに、そんな親もイヤだな。

「お盆でしばらくぶりに母親に会ったから、こっちがウツっぽくなっちゃって」とみどりは言う。「そういうことばかり言っているなら、もう来ないからって言っちゃったのよ。そしたら、怒り出しちゃって」などと続けた。まぁ、母娘喧嘩というものだ。

「(みにくいアヒルの子は、)偉いよね。どうして何を言われても何もなかったように振舞えるの? そういうやさしいところ見習いたいけど、絶対ムリ」と言われた。「私がやさしい? それは違うよ。ほんとうにやさしいのはみどりだよ」と答える私。

みどりは誤解してるようだ。黙っているのがほんとうにやさしいこと? うわべでやさしく接するのが、本当にやさしいこと?

そんなことはたやすい。みどりのように、どんな母親でも怒って悪いところを指摘して、いい関係を築こうと努力をすることがやさしいんだと思う。私は、「もうそんな努力をするのはバカらしい、母親の性格なんて変わるものではない」と、もう母親という人間を見限っているだけ。もう健全な人間関係を築こうとしていない。

私は冷たい。みどりはやさしい---人間の本当のやさしさは、少し聞いただけではわからないと思う。

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2006年8月19日 (土)

優しい私に潜む悪魔

いつものように嫌味な言葉の連続。私を馬鹿にした言葉の連続。ついに耐えかねて私は爆発! 母の首に両手を添えて押し倒していた。

そこで、はっと気づいた。な~んだ。夢!? 変な夢を、というか恐ろしい夢を見てしまった。

現実の私は、絶対にそんなことはしない。たぶん、自分を殺しても他人は殺さないだろう。もちろん、自分を殺すこともないだろうけれど。

それにしても、こんな夢を見てしまうなんて、私はそういう人間なんだ---と複雑な気分になってしまった。

「お前なんて、顔も見たくないから向こうに行って」「おばあちゃんに似て気持ちが悪い」「触らないで」「親の私でさえ愛せないんだから、お前なんて一生誰からも愛されないはずだ」

子供の頃、何を言われても、私は反抗をしなかった。いつも一人、部屋のベッドにうずくまって泣いていただけ。毎日毎日、ただ泣いていただけだった。

そんな仕打ちを受けた私なのに、大人になった私は母に優しい。過去の話を蒸し返して意地悪なことを言ったりもしない。何故だろう?

たぶん、それは母があまりにかわいそうに思えるからかもしれない。子供を愛せない母親ほどかわいそうなものはないと思う。そして、子供にした仕打ちを申し訳ないと思っても、人生をやり直すすべはない。一生、愛せないことや自分がした仕打ちを恥じながら、後悔しながら生き、あとは死ぬだけ。そんな人に冷たくなんてできない。

それなのに、そんな気持ちになれる やさしいと思っていた私の見た夢が、母への仕返しの夢だった。私の心の中には、悪魔がいるのかもしれない。ずっとずっと潜んで悪魔が生きていたのかもしれない---

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